【報告】5/18 Nocoスタディルーム vol.1 ラダック氷河の羊飼い with 橋本淳司


イベント概要

「noco(ノコ)」は、インド西部に暮らす先住民ワルリ族の言葉で、「もう十分です」という意味。地球一つで生きていくために自分たちにできることは何かをみんなで考える会。サステナブルなコミュニティづくりを目指すノコプロジェクトのスタディルームvol.1です。

この映画の主人公は、ヒマラヤの山々に囲まれたラダックで、たったひとり、ヤクのテントで山羊たちと暮らす羊飼いの女性ツェリンさん。「意志あるところに道はあるものよ」と、ツェリンさんはぐっとあごを引いて、数百頭の山羊を引き連れ、森林限界を超えたむき出しの大地をずんずん歩いてゆきます。彼女の姿は、生きることの厳しさと美しさを私たちに伝えてくれます。実はこのドキュメンタリー映画の監督はツェリンさんの弟のスタジン・ドルジェ氏。ラダックの遊牧生活が初めて内側から明かされた映画として、世界最高峰のアウトドアドキュメンタリー映画祭「BANFFマウンテンフィルム」でグランプリを受賞した話題の作品です。

ノコの観点から切り取ると、見えてくるのは、この羊飼いたちがいかに自然と生き物と水平な目線で生きているか、ということなのです。自分たちは大地に生かされているのだ、ということ。この目線をまず、みなさんに携えていただきたくて、この映画をスタディルームの第1回に位置付けました。

ナビゲートするのは、ともにノコプロジェクトを進める橋本淳司さん(水ジャーナリスト/アクアスフィア水教育研究所主宰)。昨年ラダックで開催された世界森会議での水にまつわるリサーチや、ガンジス川流域のお話を伺いながら、ラダックと水の世界を探索しましょう。スタディルームを出る頃、あなたのまわりがすこし違ってみえるかもしれません。

<日 時> 2019年5月18日(土)
18:00〜 ノコプロジェクトの話を写真とアニメーションで。
18:30〜「氷河の羊飼い」上映
20:00〜 橋本淳司さんトーク / ダイアローグ形式で。
21:00頃、終了

<トーク> 
橋本淳司(水ジャーナリスト/アクアスフィア水教育研究所)
ウォールアートプロジェクト おおくにあきこ・浜尾和徳

<軽 食>
ツォモリリ文庫フード担当 小栗雅裕によるフィンガーフード
(MENUは後日発表)

参加費 2500円(映画鑑賞+ワンドリンク+フード込)
    学生料金1500円(要学生証提示)

定員  30名

主催  ウォールアートプロジェクト

予告編  https://www.youtube.com/watch?v=s1xqP-vfuS8

申込  booking@tsomoriribunko.com (おおくに、浜尾)まで。参加希望者(複数の場合は代表者で結構です)の氏名、電話番号、メールアドレス、住所をお知らせください。

<キャンセル規定>
止むを得ずキャンセルの場合、前日までにお知らせください。料理を準備する都合上、当日のキャンセルの場合は参加費をお振込みいただきます。あらかじめご了承下さい。

<同時開催>
ツォモリリ文庫ではインドの手仕事ブランド「TSOMORIRI」の夏の旅衣展も開催中。旅にふさわしいストールや洋服を展示販売しています。
お店は11:00〜営業しておりますので、いつでもお越しください。
なお、この日のカフェは会場づくりの関係でラストオーダーが16時までとなります。

<橋本淳司より>
温暖化が人々の生活にどのように影響を与え始めているか。映画を見たあとに、私がインドやネパールで見聞きしてきたことも共有させてもらいます。いい映画なので遊びにきてください。

昨夏行ったインド・ラダックでは雪の降り方が50年前といまでは全然違っているとのこと。子供の頃遊牧生活をしていた女性からは、「子供のころに比べると、雪の量はずいぶん減り、植生も大きく変わりました。1970年代には1メートル50センチくらいの植物も生えていましたが、いまの植物は膝丈より下です」という話を聞きました。

昨秋行ったネパールでも現地の人からランタン・リルンの斜面のリルン氷河について聞きました。「リルン氷河は温暖化の影響を受けて氷の減少が続いている。1990年代に入ってからヒマラヤ地域の氷河は後退(氷の減少)傾向にあったが、21世紀に入って後、退速度は加速した。今も刻々と氷の量が少なくなり、厚さも薄くなっている。そしてその速度はさらに加速している」

温暖化の影響は高地ほど受けやすい。それが人々の生活に影響を与えています。

映画を見て、みんなで話して、帰り道に一人ひとりがどんなふうに生きていこうかと考える機会になればと思います。あまり難しく考えずに、気楽に遊びに来てください。

アクアスフィア・水教育研究所