企業の水リスク(4)地球の水をおふろ1 杯分だとしたら人間のつかえる水はどれくらいあるか?

 

 

海水が97.5%、淡水は2.5%

なぜ、地球の水は「ありがたい」のかを、もう少し考えてみましょう。

あなたは、地球の水について、こんな説明を聞いたことがありますか?

「地球上には、13億5000万㎦の水があり、そのうちの97.5%は海水です」

でも、13億5000万㎦といわれても、正直どのくらいの量なのか想像できません。

そこで地球の水の量をおふろ1杯分(200ℓ)と考えてみましょう。

97.5%が海水ですから、200ℓのうち、195ℓが海水ということになります。

人間が飲んだり、生活につかったり、生産活動につかったりする水のことを「淡水(真水)」といいます。海水が97.5%ですから、淡水は地球の水の2.5%ということになります。

おふろ1杯分の水で考えると、200ℓのうち5ℓが淡水です。

では、この5ℓが、そのままつかえるかというと、じつはそうではないのです。淡水の約70%はこおっています。
凍っていない淡水のほとんどは地下水ですが、そのうちの約半分は地面の相当深い場所にあって、つかうことができません。

人間が利用できる淡水は、比較的浅いところにある地下水と川や湖の水です。これは地球全体の水の0.01%。おふろ1杯分のうち、つかえるのは20㎖、スプーン1杯ほどです。

水の惑星の本当のすがた

そもそも地球は「水の惑星」といわれますが、「水でできている惑星」というわけではありません。正確にいえば、「表面をうっすらと海水で覆われている惑星」といえるでしょう。

地球上にはとてもたくさんの水がありますが、人間がつかえる水は、ごくわずかです。

だから地球の水は「ありがたい」といえます。

ですが、この量は昔から一定でした。だからつかえる水が少ないことは、前提条件のようなもので、問題ではありません。
では、いったい何が問題なのでしょうか? もう少し考えてみましょう。

 

参考資料:「いちばんわかる企業の水リスク」(橋本淳司/誠文堂新光社)

アクアスフィア・水教育研究所