Yahoo!ニュース「下水道の日」に考える公衆衛生。下水道は都市の危機管理、健康管理を担う

 当事務所代表の橋本淳司が、Yahoo!ニュースに、「「下水道の日」に考える公衆衛生。下水道は都市の危機管理、健康管理を担う」を寄稿しました。

歴史を振り返ってみると、下水道の普及の背景には、ペストやコレラの流行がありました。

新型コロナ禍のいま、普段は忘れられがちな上下水道と、感染症の関係についてまとめました。

日本で初めてコレラ感染が確認されたのは、1822(文政5)年8月14日。「日本の細菌学の父」とされる北里柴三郎が、1887年、ウィーンで開催された第6回万国衛生会議で「日本のコレラ」という発表を行い、後日に文献にまとめられました。

そこには「長崎とジャワ島との間を往復する一隻のオランダ船が、この伝染病を最初にわれわれのもとへもたらした」、「コレラはまずそこで発生し、長崎を取り囲む日本の南西部に広がったが、数ヶ月後に日本の内陸部へと到達し、間もなく大流行となった」と記されています。

それから約30年後の1858(安政5)年にもコレラが大流行しました。原因はペリー艦隊に属していた米国艦船で、中国を経由して長崎に入った際、乗員にコレラ患者が出たと伝わります。

 この年は、「日米修好通商条約」などいわゆる不平等条約が結ばれた年です。鎖国政策を続けてきた日本で、外交とともに感染症が広まり、多くの人々を不安と混乱に陥れました。本来、コレラと外交は関係ないはずですが、これらが化学反応を起し、攘夷思想に拍車をかけたのでしょう。

現代でも似たことがあり、米中の外交問題は新型コロナによって化学変化を起こしています。ポンペオ米国務長官は新型コロナを「武漢ウイルス」と呼ぶことにこだわりましたが、一方で、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は新型コロナ肺炎を「COVID―19」と命名したと発表し、風評被害を避けるため地名は付けなかったと説明しました。トランプ大統領はWHOを「中国に偏っている」と批判するなど、政治的な火花を散らしています。

ぜひ、「「下水道の日」に考える公衆衛生。下水道は都市の危機管理、健康管理を担う」をお読みいただければと思います。

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アクアスフィア・水教育研究所