アクティブラーニングの進め方 はじめに・目次
アクティブ・ラーニング(※文部科学省の学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」)では、自分たちで課題を決め、調査したり、議論したり、発表すること通じて、課題を解決する力を身に付けます。
私は高校や大学で「水」をテーマにしたアクティブ・ラーニングを行っています。その経験から感じているのは、これまでの「教員は教えるのが仕事」というイメージはいったん横においたほうがいいということです。むしろ仕事において、複数のプロジェクトを統括するマネジャーの役割に似ています。
とはいえ失敗の連続でした。
ついつい手取り足取りになってしまうこともありました。たとえば、あるチームに対して、課題設定から解決方法の提供までやってしまったことがありました。これでは主体的な学びとはいえません。
チームメンバーのうちの1人だけが積極的でほかのメンバーがさめていることもありました。発表のときだけは役割分担をしているので、全員が主体的にやっているように見えたのですが、そうではありませんでした。チーム内の対話はできていませんでした。
反対に、あまりにも生徒に任せきりにしてしまい、深い学びにならないこともありました。
ここでは、これまでアクティブラーニングを行ってきた経験から、うまくいったこと、うまくいかなかったことも含めて、進め方をお話ししていこうと思います。以下は仮の目次です。
1 場をつくる
アイスブレーク
グランドルールをつくる
先輩がファシリテーターになる
2 問題を見つける
問題と課題と解決方法
ハッピーにしたい人を思い描く
ハッピーにしたい人にインタビューする
3 チーム(仮)をつくる
サイレントグルーピング
現場には必ずチームでいく
メンバーの長所を知る(かげほめ)
4 ゴールをイメージする
誰をどのようにハッピーにするか
ゴールしたとき自分はどうなっているか
ゴールしたときチームはどうなっているか
実験や調査を行う
解決方法を提案する
解決するモノやサービスをつくる
5 チームの活動をサポートする
集団思考の落とし穴から脱する
PDCAはやめる
フィードバックよりフィードフォーワード
質問というエンジン
6 活動をまとめて発表する
検証の場をつくる
道場破りでさらされる
マーケティング調査にでかける
ポスターセッションを行う
発表の場をつくる
発表の評価方法を決める