【報告】2020.8.19 港区立エコプラザ「水のふしぎサイエンスラボ~自由研究のヒントがいっぱい~」

当事務所代表の橋本淳司が、2020年8月19日、港区エコプラザ(東京都港区)にて、「水のふしぎサイエンスラボ~自由研究のヒントがいっぱい~」を行いました。

午前中は小学校低学年(1年生〜3年生)向き、午後は小学校高学年(4年生〜6年生)向き。定員を少なくして、それぞれ12名で開催しました。

水の循環を体験するすごろく

低学年向けには、こんなプログラムをやりました。

まずは、自分が水になって、水の循環を体験するすごろく(プロジェクトWET「驚異の旅」)。

海、雲、氷河、川、地下水、土、植物、動物のなかから好きな「水のある場所」を選んでスタート。

この日は海と植物の人気がありました。

そして、サイコロの出目にしたがって、水の分子は移動を開始します。たとえば、自分が「雲」にいて、サイコロをふって「1」が出たら、移動先は「土」ですね。

6回サイコロをふり、水の分子は移動を続けます。

この人は、「植物」→「雲」→「土」→「川」→「湖」→「地下水」という旅をしました。

そこで1つ1つの移動がなぜ起きたのかを考えてもらいます。

「植物」から「雲」というのは、葉っぱから水が蒸散して、それがやがて雲になったということ。

「雲」から「土」というのは、雨が地面に降ってきたということ。

「土」から「川」というのは、地面の上を流れた水が、川に入ったということ。

なかには移動する箇所が少ない人もいます。

上の写真では「海」→「雲」→「海」→「海」→「海」→「雲」ですね。

「海」にはたくさんの水がありますから、海のなかを移動しているということなんです。

コップにビー玉を入れて表面張力を観察する

水をいっぱいに入れたコップのなかにビー玉はいくつ入るでしょうか。

そろり、そろりとビー玉を入れます。3つ、4つ、5つとビー玉が入っていきます。水はこんもりと盛り上がっています。

不思議なことにあふれません。

水がまるくなろうとする力を「表面張力」といいます。葉っぱの上の水玉がまるくなるのもこのためです。

水のなかにある水の分子は、まわり中の水の分子と、おたがいに引っ張り合っているのです。その力がとても強いんです。

水に牛乳を一滴たらしたら水質はどうなる?

水はいろいろなものをとかします。そのとき水質はどう変化するでしょうか。

水道水、水道水にお醤油を1滴たらしたもの、水道水に牛乳を1滴たらしたものを水質を調べるキット(パックテストCOD)ではかってきました。

ほんのわずかの牛乳、醤油でも、水の性質は大きく変わります。

最後に、感想を話し合いました。水の旅がおもしろかった、ビー玉を入れるのがおもしろかった、水質調査の結果に驚いたという意見が多かったです。低学年向けはここまでです。

地中に埋めた汚染物質はどう動く

午後は高学年向け。低学年と同じ水質調査をおこなった後、みんなで難問に挑戦です。

今回は水質汚染に関するものを2つやりました。

ドラム缶に入っていた古くなった薬品を工場長が埋めてしまいます。10年後に近くの川で魚が死んでしまいました。

みんなでドラム缶が埋められた場所を探します。(プロジェクトWET「しわしわ症候群」)

薬品はビタミンCの粉末を使い、pHを測定する紙をつかって、埋められた場所を探っていきます。

地面の下の水の流れによって、汚染物質が移動しています。どこからどこへ移動しているのかを、pHの変化をたよりに考えました。

重大なあやまちってなんだろう?

最後は応用です。

どうもまちの井戸が汚染されているようです。(プロジェクトWET「重大な過ち」)

工場に近い井戸の汚染の数値が高いので、「工場が原因」と疑いたくなるのですが、どう考えたらいいでしょうか。話し合いながら、問題を解決していきました。

参加者のみなさまのご感想

小学校低学年の方
●いろいろな所に行く水を大好きになりました。
●水についてとても勉強になった。
●水について知らなかったことが知れて、 楽しかった。もっと水について知りたい。
●地球上の水についてとても勉強になった。
●水を流す時は、気をつけないといけない。
●海にある水と他のところにある水の割合に驚いた。
●色んなものを流してしまうと、すごく大変なことになることが分かった。

小学校低学年の保護者の方
●お醤油や牛乳は意外と水を汚すんだなあと思いました。先日都営住宅で水道に油を流してしまい、固まってしまった為、工事をしたという張り紙を見ました。一人の無知な行動が環境や周りの人の迷惑になることを、改めて実感しました。今後もしっかり気をつけたいと思います。
●水が巡っていることが、改めて良く分かりました。
●地球上の水のある場所についての環境の仕組み。
●何気なく流しているものが、どれほど環境に影響を与えるか知りました。
●水に流す物質が少量でも、かなりの水質汚染につながることを実感できました。
●子供達に水の再生について勉強になったと思います。
●CODの検査で水の汚れ具合が分かるというのは、初めて知りました。他にも色々な検査方法があるんですね。
●身近だけれども、あまり知らなかったことを分かり易く説明して頂きました。
●地球上の水がある場所について、理解でき、その仕組みが分かった。普段流しているキッチンからの水について、考えさせられる講座だった。
●子供にとても分かり易く、興味を持っ て参加出来る講座で1時間半があっという間でした。良い経験になったと思います。
●水の水質調査は大人でも面白かった。魚が住めるようにするには、少しの汚水も流してはいけないと 身にしみて感じた。
●小1の子には、少し難しい部分もありましたが、勉強になりました。

小学校高学年の方
●探偵ごっこが出来て楽しかったからです。
●実験が出来て楽しかった。
●自分が今まで知っていた知識よりも、なお深いことを知れて良かったです。
●ゲームが面白かった。
●水の事を知れて良かったです。
●水の事が沢山知れてよかったです。
●トイレの水が1番汚いと思っていたけれど、キッチ ンが1番多いとは知りませんでした。
●牛乳や醬油を少し入れるだけで、水に大きな変化を起こすという事。

小学校高学年の保護者の方
●水の汚染発生源ゲームが楽しかったです。
●水の汚染について理解を深められました。
●水の流れについて多種多様あること。
●CODの実験、醬油や牛乳1滴でこんなに水を汚していることに驚きました。
●ゲームを通して分かり易く水について学べました。
●汚染の高い箇所から原因を探るなど、考えさせるトークを通じ、分かり易かった。
●具体的でとても分かり易かったです。具体物があるのもとても良かった。

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アクアスフィア・水教育研究所