<水の科学19>地球は表面を水に覆われた惑星
太陽との距離がちょうどいい
地球のことを「水の惑星」ということがあります。私たちのまわりには、たくさんの水があります。毎日飲んだり、日常生活で使ったりする水だけではありません。氷も水だし、空気中にただよう水蒸気も水です。
地球には液体の水だけではなく、気体の水も固体の水もあります。気体は雲、液体は海や湖、川、地下水など、そして固体は氷河、氷山、雪などです。海と陸地の水は、太陽の熱で蒸発し、上空で雲となり、それから雨や雪となって再び陸地に降ってきます。それはなぜでしょうか。
水を構成している酸素や水素は宇宙にもたくさんありますから、太陽系のほかの惑星に水があっても不思議ではありません。でも、8 つの太陽系惑星の中で、地球にだけ大量の液体の水が存在します。
その理由は2 つあります。
1つは太陽と地球の距離がちょうどいいこと。
地球より太陽に近い金星では、太陽から受ける熱が大きく、表面温度が高いので水は蒸発してしまいます。
地球より太陽から遠い火星では表面温度が低いので水は凍ってしまいました。
水が液体として存在する温度は0‒100℃ (1 気圧として)。水星表面の平均温度は約300℃、金星は約200℃、地球は約15℃、火星は約‒50℃、火星よりも外側の星ではもっと低くなります。
つまり、地球と太陽との距離が、いまより少し近かったり、遠かったりしたら、地球に気体、液体、固体の水がそろうことはなかったでしょう。
太陽系の主な惑星と太陽からの距離