動画「水道水の基準はどう変わった?」
4月1日から水道水質基準が改正されました。
水質基準項目の六価クロム化合物は、現行0.05mg/Lから0.02mg/Lと強化されました。
水質管理目標設定項目の農薬類は強化されたもの、緩和されたものがあります。
<対象農薬リスト掲載農薬類>…浄水で検出される可能性の高い農薬
カルタップ 0.3mg/L → 0.08mg/L(強化)
ジクワット 0.005mg/L → 0.01 mg/L(緩和)
プロチオホス 0.004mg/L → 0.007 mg/L(緩和)
<その他農薬類>…浄水から検出される可能性が小さく、検討の優先順位が低い農薬
セトキシジム 0.4mg/L → 0.2mg/L(強化)
チアクロプリド 0.03mg/L(新規設定)
チオシクラム 0.03mg/L→ 0.05mg/L(緩和)
ベンスルタップ 0.09mg/L→ 0.06mg/L(強化)
また、水質管理目標設定項目のなかに、発がん性が指摘される有機フッ素化合物が加わりました。
有機フッ素化合物は「ペルフルオロオクタンスルホン酸」(以下PFOS:ピーフォス)、ペルフルオロオクタン酸(以下PFOA:ピーフォア)といいます。
PFOSは、残留性有機汚染物質について定められた「ストックホルム条約」で2009年5月に使用制限の対象物質に登録されました。国内では化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律「化審法」において2012年4月以降は特定の用途を除き製造・輸入・使用等が禁止されています。
PFOAは、2018年4月から2019年5月にかけて開催されたPOPs条約第9回締約国会議において、附属書Aに追加され、特定の用途を除き廃絶することが決定され、化審法に基づく所要の措置について検討が行われています。
フッ素およびその化合物の人体の影響としては、一般的に、斑状歯、骨硬化症、甲状腺・腎障害などが懸念されています。しかしながら、極めて安定的な物質であるため、環境中でほとんど分解されないという特徴があります。
近年、国内の水道水でも、原水および浄水から検出されている状況が続いており、東京の水道原水からも検出されています。