災害など非常時に備える「水道水の備蓄方法」
1日分は飲用3リットル+衛生用10リットル
災害時に水は欠かせません。
1人が、1日に必要な飲み水は約2リットルですが、被災するとビスケットや乾パンなど乾燥した食べものが中心になり、水分が不足しがちになります(普段は食べものに含まれる水分を1リットル程度吸収している)。
だから1日に3リットル程度の飲み水が必要です。
また、必要なのは飲み水だけではありません。被災した人が口々にいうのは「トイレが流せなくて困った」という話です。手や顔を洗う、トイレを流すなど、衛生を保つための水が1日に10~15リットル必要になります。
支援活動が本格化するまでを3日と考えると、
- 飲用9リットル
- 衛生用30~45リットル
が必要ということになります。
水の備蓄というとペットボトル水というイメージがあるかもしれませんが、これを水道水のくみおきと、風呂の残り湯で備える方法をお伝えします。いまは「風呂でなくてシャワー」という人が多いかもしれませんが、こと災害に備えるということを考えると、風呂のほうが便利です。
風呂の残り湯はおもに衛生用に使う
風呂の残り湯は衛生用の水として使います。
一般的な浴槽は満杯時に200リットルの水が入ります。残り湯がどれくらいあるかは個人差があってなかなか、その4分の1の50リットルくらい残っているでしょうか。
このお湯を次に風呂の湯を交換するまで流さずにとっておきます。風呂から出るときに、浮いている髪の毛などをさっとすくい上げ、ふたをしておく(とくに小さな子供のいる家庭では、子供が風呂に落ちないよう注意しましょう)。
飲用水を貯めるポリタンクの選び方
水道水でまかなうのは、飲用9リットルと、口すすぎなどの水。これをポリタンクなど密閉できる容器に入れて保存しておくとよいでしょう。
まず、ポリタンクを選ぶときには以下の点に注意します。
1)できれば口が広い(手が入る程度)もの
タンク内部が洗いやすい。内部に汚れがあると水は腐敗しやすい。
2)透明でないもの
太陽光や温度上昇によって、塩素の殺菌能力が低下するのを抑える。
3)いっぱいにしたときに自分の力でもてる
一般的なポリタンクは20リットル入る(満水時の重さ20キロ)が、つかいやすさ、入れ替えの手間を考えると10リットル(満水時の重さ10キロ)のタンクを用意するとよい。
4)蛇口がついていると少量づつ使え節水になる
- 「蛇口つきポリタンク」を使用する・・・「蛇口つきポリタンク」はアウトドアショップ、ホームセンターなどで購入できる。
- ポリタンクのフタを「蛇口タイプのフタ」に交換する・・・「蛇口タイプのフタ」はホームセンターなどで購入できる。
ポリタンクへの水道水の入れ方、入れ替え方
- 洗浄したポリタンクをよく乾かしたのち、水道水を少しずつポリタンクに注ぎます。勢いよく水を注ぐと空気が入り、腐敗の原因になるので注意しましょう。
- ポリタンクの口元から少し水が溢れるまで注ぎ、空気が入らないよう注意しながらキャップを閉めます。
- くみおいた日付をシールやタグなどに書いてポリタンクに付けます。3日をめどに入れ替えると、そのまま飲用できます。1か月をめどに入れ替えると、煮沸後の飲用できます。交換時にもとのポリタンクに入っていた水は、掃除などに使いましょう。
- ためた水はなるべく暗くて涼しい場所におく。
以上のやり方で、日頃から水をためおき、災害に備えるとよいでしょう。