<水の科学23>水蒸気が雲になるまで

地球の表面からは絶えず水が蒸発し、水蒸気となって上昇していきます。海、陸地の湖や沼、川の水面からも水分が蒸発します。地中から水を吸収している樹木や植物の葉の表面からも、水分はどんどん蒸発します。

 水蒸気を含んだ暖かい空気は、空高く上っていくうちに冷えます。100 m上昇するたびに、約0.6℃下がります。

 そして温度が低くなると、空気はそれまでもっていた水蒸気をそのままのかたちで含んでいられなくなり、余分な水蒸気は凝縮して細かい水滴に変わります。これが雲です。

 では雲を含む大気を動かしているのは何でしょうか。

 地球表面は、緯度によって太陽光の入射角が違うので、大気の温度は赤道付近が最も高く、極地(北極や南極)が最も低い。

 大気は、赤道付近では暖かく、軽いので上昇し、緯度の高いところでは冷たく、重いので地表に降りてきます。

 また地球の自転によって生じる慣性力(コリオリの力) によっても大気は動かされており、亜熱帯から赤道にかけての低緯度地域では西向きの貿易風が、中緯度地域では東向きの偏西風がそれぞれ吹いています。

 このように、大気は地球を大きく循環しているため、水蒸気も地球全体を旅することになります。

 

 

「通読できてよくわかる水の科学」(橋本淳司/ベレ出版)より