ミツカン水の文化研究所レポート「節水しない人 全体の6割」

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 今日は「水の日」。この日はそもそも、水不足になりやすい8月に「水を大切にしよう」という啓発のために制定されました。

 簡単に言うと「節水しようね」という日なのです。

 あなたは節水していますか?

 ミツカン水の文化センターの「水にかかわる生活意識調査」によると、

「節水・再利用のことは気にせず水を使っている」(18・7%)

「節水・再利用は気にしながらも、特に何もせずに水を使っている」(39・7%)

「多少節水などしながら水を使っている」(33・3%)

「かなり節水や再利用をしている」(8・3%)

 という結果で、「節水していない人」は全体の6割に達しました。

 これはこの調査の過去最高の数値です。

 これは社会インフラが整備されたこと、節水型のトイレやシャワー、家電などが普及したことで、意識しなくても節水できるようになっているということでもあります。

 ただ、それでいいのかな、と思います。

 ここ数ヶ月を振り返ってみても、地震や豪雨の影響で断水を経験した人がかなりいます。

 広島、岡山などでは、まだ多くの人が断水で苦しんでいます。

 社会システムに依存しきるのではなく、自分の水がどこからやってきているのか、どこへ流れていくのかを知っておくことは大切なことだと思います。

 そういう点では、この調査のなかに、日本の水問題に対する問いもありました。これがなかなか興味深いのです。

「日本において深刻だと認識している水問題は?」

という問に対し、以下の8つの選択肢が与えられています。

「40年を過ぎ老朽化した水道管が、全体の10%に達している」

「外国資本による、日本国内の森林や水源地の買収面積が増大している」

「水源である淡水湖で水の循環の滞り、水質が悪化している」

「温暖化の影響による安定しない降雨により渇水のリスクが高まっている」

「水道料金は人口密集地域ほど安く、エリアによって料金に差がある」

「大量の食材を輸入に頼っている日本は、輸入食材を生産するまでに必要な大量の水をも間接的に輸入していると考えられる」

「日本の下水道普及率は77・8%と整備が遅れ、地域格差がある」

「知っていることはない」

あなたは、どれを知っていますか? 

また、上の項目を「知っている人」の多い順番で並べたら、どうなると思いますか?

ちょっと考えてみてください。

いいですか? では、並べてみますね。

1位「水道料金は人口密集地域ほど安く、エリアによって料金に差がある」(知っている 34・5%)

2位「40年を過ぎ老朽化した水道管が、全体の10%に達している」(知っている 34・5%)

3位「知っていることはない」(28・9%)

4位「温暖化の影響による安定しない降雨により渇水のリスクが高まっている」(知っている 28・0%)

5位「外国資本による、日本国内の森林や水源地の買収面積が増大している」(知っている 23・7%)

6位「水源である淡水湖で水の循環の滞り、水質が悪化している」(知っている 21・3%)

7位「日本の下水道普及率は77・8%と整備が遅れ、地域格差がある」(知っている 15・3%)

8位「大量の食材を輸入に頼っている日本は、輸入食材を生産するまでに必要な大量の水をも間接的に輸入していると考えられる」(知っている 10・9%)

 選択肢があっても、「知っていることはない」と答えた人が3割という結果。

 7つの問いはいずれも深刻な問題で、数年後には、さまざまなかたちで私たちの生活に影響を及ぼすでしょう。

 問題があるのに見えにくくなっている、感じにくくなっていることに、より大きな問題を感じます。

 「水の日」に周囲の水問題もあわせて考えていただければと思います。