<水の科学21>水が存在する可能性のある惑星

 2013 年、生命がいるかもしれない惑星が1200 光年かなたに見つかりました。

 米航空宇宙局(NASA)などの研究チームは2013 年4 月18 日、生命存在の可能性がある太陽系外の惑星が、NASA の宇宙望遠鏡ケプラーの探査で新たに3 個見つかったと発表しました。3 個の惑星はいずれも、恒星との適度な距離があって、液体の水が存在する可能性があります。

 このうちの2 つの惑星は、こと座にある恒星「ケプラー62」の周りを公転しています。ケプラー62 は5 個の惑星をもち、地球からの距離は1200 光年。

 惑星ケプラー62f の大きさは地球の1.4 倍。岩石でできた地球型惑星とみられ、恒星からの距離がほどよく、液体の水が存在できる表面温度を持つ可能性があります。

 惑星ケプラー62e は地球の1.6 倍の大きさで恒星までの距離がやや近く、大部分が深い海に覆われているとみられます。

 はくちょう座の恒星「ケプラー69」にも惑星が見つかりました。惑星ケプラー69c の地球からの距離は2700 光年。大きさは地球の1.7 倍で、深さ数千キロの海に覆われていると考えられています。気温は地球よりもはるかに高く、金星に近いと推察されています。

 このプロジェクトに関わる研究者の1 人、トーマス・バークレイ氏は「こうした発見を重ねるほど、ますます地球が特別な場所とは思えなくなり、地球のような場所は至る所にあるのではないかと思えてくる」と話しています。

 これまで見つかっている太陽系外の惑星は木星のような巨大ガス惑星が多いのですが、ケプラーが2009 年に打ち上げられて以来、地球に近い大きさのものも見つかってきています。

 

 

「通読できてよくわかる水の科学」(橋本淳司/ベレ出版)より